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『奇跡講座』のことをまったく知らない方のために、まず最初の入り口として『奇跡講座』とは何かについてまとめてみました。
<目次>
- 『奇跡講座』とは何か
- 『奇跡講座』の構成
- 『奇跡講座』の超シンプルな要約
- 『奇跡講座』には何が書かれているのか
- 『奇跡講座』のしくみ
- 『赦し』『奇跡』『贖罪』について
- 『奇跡講座』についての概要まとめ
『奇跡講座』とは何か
『奇跡講座』とは「A Course in Miracles」の邦訳で、頭文字を取ってACIM、奇跡のコースや奇蹟の道、単にコースとも呼ばれています。
「普遍的な霊性に関するテーマ」*1 を扱う内容で、1965年から7年間、ヘレン・シャックマン女史による「内なる声」の口述原稿を1976年に『A Course in Miracles』として出版されたものです。 (翌1977年に「まえがき」が追加。)
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*1「扱っているのは普遍的な霊性に関するテーマ」(『奇跡講座』まえがき)からの記述より。 「重要な霊的学びの書」(同 この翻訳について)の記述もあります。
※ 邦訳の公認版は2011年12月に中央アート出版社から発刊。(ワークブック編。テキスト編は2013年7月、マニュアル編は2014年6月)
※ Foundation for A Course in Miracles (FACIM)からの学習資料を、日本語で提供する公式サイト JACIM があります。
『奇跡講座』の構成
『奇跡講座』は三部作で構成されています。
- 「テキスト編」・・・『奇跡講座』の理論
- 「ワークブック編」・・・内なる声(聖霊)に耳を傾けられるようになるための練習
- 「マニュアル編」・・・学習の補足
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※ 邦訳は3分冊で出版。(現在は上下巻の2分冊)
『奇跡講座』の超シンプルな要約
『奇跡講座』の要約は、テキスト編の「序文」の中に「このコースは次のように極めて簡潔に要約できる」の文に続き、わずか3行で記されています。
以下、「序文」からの引用です。
実在するものは脅かされない。
実在しないものは存在しない。
ここに神の平安がある。
『奇跡講座』テキスト編 序文 2. より
『奇跡講座』には何が書かれているのか
「神に至る道」※ が説かれています。
いきなり『神』と言われると拒絶反応を起こす方もいるかもしれませんので、とりあえずここでは「真の平安」とでも置き換えておきましょう。
つまり「真の平安に至る道」です。
理論を理解し実践することで、苦悩から解放され平安が得られる実用的な面を持ち合わせています。
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※「そうしたカリキュラムはすべて、最終的には神に行き着く」(『奇跡講座』「まえがき」)より
『奇跡講座』のしくみ
私たちは「脅かされる」存在だと思っています。 これは「信念」です。
真のあなたは「脅かされる」存在ではないと奇跡講座では言っています。
この誤った「信念」をよく見ることで、訂正しましょう、そうすることで癒されますよということが書かれています。
この実践のことを『赦し』といいます。
訂正するには、この誤った「信念」を丁寧に見に行く(直視する)必要があります。
また、訂正を完了するには、この世界を超えた存在である聖霊による協力が必要になります。
実践することが「赦し」、聖霊による信念の訂正が「奇跡」、完了が「贖罪」です。
奇跡と完了は即時です。
すべてを訂正することで「神へ到達する」ことができると説かれています。
『赦し』『奇跡』『贖罪』について
『奇跡講座』では、「赦し」「奇跡」「贖罪」というワードが頻繁に使われます。
これらは、私たちが知っている言葉の意味とはあきらかに違った意味での使われ方をしています。
ここでは簡単に触れておきます。
- 『赦し』・・・誤った「信念」を元に戻す作業
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- 「聖霊またはイエスと共に、罪悪感も裁きも介入させずに、自分の特別性を直視すること」(JACIMサイト「用語解説 ま行~わ行」赦し)より
- 『奇跡』・・・聖霊による誤った信念(自我)の訂正。 癒しをもたらす
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- 「私達の知覚を移行させる心の変化のこと」(JACIMサイト「用語解説 か行」奇跡)より
- 「奇跡は癒しである」(T-1.Ⅰ.8)より
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『贖罪』・・・訂正の完了。 思考(誤った信念からくる)が元に戻ること
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- 「分離への信念を癒すための、聖霊による訂正の計画」(JACIMサイト「用語解説 さ行」贖罪)より
- 「『贖罪』とは、罪と罪悪感の実在性を信じる信念を訂正することを意味している」(『奇跡講座』この翻訳について)より
このように「赦し」「奇跡」「贖罪」はそれぞれ意味を持っていますが、いずれも単に「訂正」という意味で一括りとして使われていることも多い※1※2 ので、そのように理解しておくとわかりやすくなります。
奇跡講座に「いくつかのキーワードを自分のものにしなければならない」※3 とある通り、最終的には各人で自分のものにしていく必要があります。
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※1「『講座』は、「奇跡」という言葉を単に「訂正」という意味で使っています」(奇跡講座入門 B.奇跡の意味 p.166)より
※2「「奇跡」、「赦し」、「癒し」という言葉は、どれもみな、おおむね同じプロセスを表していると言えます」(奇跡の原理 序 P.22)より
※3「このコースの受講生たちは、その思考体系の土台をなしているいくつかのキーワードを自分のものにしなければならない」(『奇跡講座』この翻訳について 翻訳方針の第二)より
『奇跡講座』についての概要まとめ
『奇跡講座』は「普遍的な霊性に関するテーマ」、「神(真の平安)に至る道」を扱っていると見てきました。
その中心は「信念」の訂正です。 つまり「赦し」について書かれてあります。
これほどにシンプルなことが、難解で分厚い『奇跡講座』で扱われることを前にすると、私たちにとってこの信念の訂正がいかに大変か、難しいことなのか、そして大切かつ重要なことなのかが見て取れると思います。
『奇跡講座』には、平安そのものである真の自分、本来の自分に戻す道があり、それは可能であるということが書かれています。
自分を愛することは、自分を癒すことである。
奇跡講座テキスト 第11章 八 問題と答え 11. より
『奇跡講座』に取り組む人は、自分を愛そうとする人だと言えるでしょう。