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「贖罪」とは、罪と罪悪感の実在性を信じる信念を訂正することを意味している

 『奇跡講座』が伝統的な聖書用語から借りてきているその他の多くの言葉と同様、「贖罪」にも、伝統的ユダヤ教/キリスト教が与えてきた意味とはまったく違った意味が付与されている。 このコースにおいては、「贖罪」とは、罪と罪悪感の実在性を信じる信念を訂正すること・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・傍点)を意味している。 このように、人々に馴染みのある言葉を使ってその意味を変更するというのが、このコースの教育プロセスの一例である。 すなわち、罪悪感や恐れを浮上させる「引き金」となるそうした言葉の使用によって、自我の思考体系の中の抑圧されてきた側面を受講生たちの心の中で表面化させる。 このやり方で、抑圧されてきたものが直視され、最後には赦されることが可能になる。 こうした効果をあげるために、この訂正プロセスは、私たちの間違った信念や概念が抑圧されずに、認識されることを要求するのである。 したがって、「贖罪」のかわりに、たとえば「和解」や「償い/救い」といった温和な言葉を使用することは、私たちの間違った想念が私たちの心の中に浮上することを最初から不可能にしてしまい、それにより、そうした想念を訂正するというこのプロセスを損なってしまうことになる。 すべての翻訳においても、犠牲により罪をあがなうという意味を持った伝統的な用語である「贖罪」という言葉を用いることにより、このコースの受講生たちは、自分たちの中にある自我の思考体系を真に赦せるようになるのである。

 

奇跡講座 テキスト この翻訳について ― 内なる平安のための財団 (P.5)