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この有名な「赦しの3つのステップ」は意外にも、『奇跡講座』のテキスト本文の中にステップとしては登場せず※ 、ワークブックにそのステップはあります。
そして、このステップの中に隠れている重要なステップがある、という話へと続きます。
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※ワークブック 第一部レッスン23の5. に登場。 テキスト本文では 第五章 Ⅶ. 神を選ぶ決断 6. に一部が該当。 JACIMサイトQ&Aでもこの2ヶ所であると指摘https://www.jacim.com/acim/?p=5627 (テキスト第六章Ⅴ.のA.B.C.にある3つのステップはこのステップとはまた別のステップです。)
赦しの3つのステップとは
多くの人が赦しの指針にしている「赦しの3つのステップ」は、ケネス・ワプニック氏が『奇跡講座』の簡潔な紹介を求める声に応えるかたちで、小冊子として出版された『奇跡講座入門』に収録されている有名な赦しのステップです。
『奇跡講座入門』は、コースを理解するケネス・ワプニック氏がコースをこれから学ぼうとする人たちに向けて赦しの全体像として要約したものです。 あるいは、理解している人たちにとっての赦しについてのまとめ、ダイジェストです。
赦しの3つのステップの元になっているのは、ワークブック編のレッスン23が該当します。 以下、引用。
今日の概念は、あなたが見ている世界の原因は変えられるので、あなたはその世界に閉じ込められているのではないという考えを導入する。 この変化のために必要なのは、まず、原因が識別され、その後、手放されて、入れ替えられるようにすることである。 このプロセスの最初の二つのステップは、あなたからの協力を必要とする。 最後のステップにはそれは必要とされない。 すでにそれまでに、あなたの作り出した形象は取り替えられている。 最初の二つのステップを踏むことによって、そうであることがあなたにわかるようになる。
奇跡講座 ワークブック編 第一部 レッスン23 5. より
ステップだけを抜き出すと次の通りです。
[1]原因が識別される
[2]手放す
[3]入れ替えられるようにする
あまりにもシンプルなステップにまとめられていますが、『奇跡講座』を理解することなく、これだけで赦しの実践に入る人が後を絶たちません。 特に第2ステップに含まれているであろう語られていない重要な部分、触れられてはいますが、多くの人が見落としている重要なステップが存在します。
その重要な部分、見落とされているステップについて触れてみたいと思います。
まずその前に、これらが収録されいてる引用部分を確認することにしましょう。
また、ゲイリー・レナード氏の著書『神の使者』にも、この赦しの3ステップの記述がありますので、あわせて引用します。
『奇跡講座入門』からの引用
『奇跡講座入門』の「第4章 正しい心の状態―聖霊の思考体系」の中の「赦しの三つのステップ」の節より以下を引用。
- 第1ステップに関する部分 (『奇跡講座入門』 P.125 - P.127より引用)
赦しは三つの基本的なステップに要約できます。
第一ステップは、問題は外のスクリーン上にあるのではないと認識することです。 問題は内側、すなわち、私のフィルムの中にあるのです。
私たちが怒っているときはいつでも、「問題は自分の中ではなく他人の中にあるので、変わらなければならないのは自分ではなく他人である」と思っていますが、この第一ステップの要点は、そうした怒りは正当化されない、ということです。
だから、このステップで、問題は外にあるのではなく、自分の中にあると認めます。
(中略) 赦しのための最初のステップは、問題はあなたにあるのではなく私の中にある、と認めることです。
(中略) 第一ステップでは、自分の怒りというものは、自分の罪悪感を投影しようとして自分が下した決断である、と認めるわけです
- 第2ステップに関する部分 (『奇跡講座入門』 P.127 - P.131より引用)
その次にくるこの第二ステップでは、この罪悪感それ自体も、かつて自分自身が下した一つの決断の表れであると認めるのです。 それは、自分のことを罪悪感を抱いた有罪な者として見ることに決め、罪悪感のない無罪の者とは見ないことにするという決断です。
こうした決断の代わりに私たちが受け入れなければならないのは、自分は神の子であって、自我の子ではない、ということです。 そして、自分の真の家は神の中にあって、この世界の中にはない、ということです。
しかし、それを受け入れられるようになるためには、まずその前に、自分の中に罪悪感があるということを正視して、その上で、罪悪感というものは自分の真の本質ではないと認めなければなりません。
そして、私たちがそれを認めることができるようになるための手段として、その前にまず、誰か他の人を見て、「私が自分の罪悪感を投影することによって作り上げたあなたは、真のあなたではない。 あなたは、本当は、神が創造したままの存在である」と認めることが必要なのです。
(中略) ですから、第二ステップは、自分の罪悪感を正視して、それは自分がでっち上げた作り事であると自ら進んで認めようとする意欲をもつことです。
(中略) 第二ステップは、事実上、聖霊に向かって、「私は、もはや、自分自身を罪悪感にさいなまれた者として見ることを望みません。 どうか、これを私から取り去ってください」と求めることです。
- 第3ステップに関する部分 (『奇跡講座入門』 P.130 - P.131より引用)
『講座』が実にはっきりと強調していることは、罪悪感をつくり出したのは私たちなのだから、それを取り消すことができるのは私たち自身ではない、という点です。
罪悪感を取り消すには、自我の外側からくる助けが必要です。 この助けが聖霊です。
ですから、私たちにとっての唯一の選択肢は、聖霊を招き入れて、自我の思考体系の誤りを正してもらい、私たちから罪悪感を取り除いてもらうことです。
こうして聖霊が私たちの罪悪感を取り除くのが、第三ステップです。
(中略) 第三ステップは聖霊の役目であり、聖霊はただ罪悪感を取り去るだけです。 というのも、実際には、聖霊はすでにそれを取り去っているからです。 私たちがそのことを受け入れるかどうかという点だけが問題なのです。
- 3つのステップのまとめ (『奇跡講座入門』 P.131 - P.132より引用)
以上の三つのステップを繰り返しますと、
第一ステップは、「問題は自分の外にあるのではない。 自分の中にある」と認めることによって、投影されている怒りを取り消します。
第二ステップは、自分の中にある問題とは自分で作り出したものであり、もはや、自分では望まなくなっているものであると認めることです。
そして、そのあと、私たちがその問題を聖霊に預けて、聖霊がそれを私たちから取り去ることで、第三ステップが達成されます。
『神の使者』からの引用
次に、『神の使者』第二部 目覚めの「7 赦しの法則」の中から、ゲイリーとパーサのやりとりの中で赦しの主要な要素、神を思い出す道として取り上げられている部分から引用します。 (『神の使者』 P.309より引用)
ゲイリー: 赦しの主要な要素ってこういうことだと思うんだけど。
ぼくは自分が夢を見ていることを覚えている。 ぼくは自分が投影したイメージとそれを夢見ている自分自身を赦す。 そして聖霊を信じて「彼」の力を選択する。 神から離れたというぼくの夢が生々しいことが問題の原因であり、その問題を解決するのが聖霊の赦しなんだ。
パーサ: たいへんけっこう。 それが骨子ね。 「コース」の赦しの処方箋の手引きに、書いてあるわ。
[a] 原因を明らかにする
[b] その原因を手放す、そして
[c] 入れ替える※
これが神を思い出す道よ。 「コース」は、このプロセスの最初の二つにはあなたの協力が必要だとも言っているわね。 でも最後のには必要ない、と※。
言い換えれば、聖霊の仕事の部分はあなたの責任じゃないの。 だから、聖霊を信じなさいって言ったのよ。
それぞれの引用部分が確認できたところで、見落とされている重要なステップについて見ていきたいと思います。