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あなたの考えている自分自身なるものには、二つの部分(無垢を装わなければならない自己と、酷い状態になったのは兄弟のせいだとする自己)がある。 もしその一つがあなたの兄弟によって生み出されたとするなら、もう一つの部分を作り出せるような誰が居たのだろうか

 あなたが兄弟によってそのようなものにされたというのは極めてありそうにもないことに見える。 仮にそうであったとしても、誰があなたに無垢なる顔を与えたのだろうか。 これはあなたによる貢献だろうか。 それならば、それを作り出した「あなた」とは誰なのだろうか。 そして、誰が、あなたの善良さを見誤って、それをそのように攻撃するのだろうか。 こうした概念についてのばかげた話は忘れて、ただ次のように考えてみよう。 あなたの考えている自分自身なるものには、二つの部分がある。 もしその一つがあなたの兄弟によって生み出されたとするなら、もう一つの部分を作り出せるような誰が居たのだろうか。 そして、いったい誰から、何かが隠しておかれなければならないというのだろうか。 もし世界が邪悪なものであったとしても、依然として、あなたがどのようなものにされているかを隠す必要はまったくない。 それを見るはずの誰が居るというのだろうか。 そして、攻撃されているもの以外の何が、防衛を必要とすることがあり得るだろうか。

 

奇跡講座テキスト  第31章  五 自己概念 対 自己  10.