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彼(夢〔幻想〕を見ている者)は、自分(自我)の想念から逃げ出すためには、玩具(偶像たち/手に入れることで自分に幸せをもたらすと期待されるもの)が必要だと考える。 なぜなら、彼はそれらの想念が実在すると考えているからである

 悪夢は子供じみた夢である。 自分で玩具を実在のものにしたと考えた子供に対し、玩具が反抗したのである。 しかし、夢が攻撃できるだろうか。 あるいは、玩具が大きくなって、危険なものになり、獰猛で手に負えなくなるということがあり得るだろうか。 子供はこれを信じている。 彼は自分のさまざまな想念を恐れ、それらを代わりに玩具に与えているからである。 そして、そうした玩具の実在性が彼自身の実在性となる。 なぜなら、それらが彼を自分の想念から救うように思えるからである。 だが、玩具は彼の想念を生かして実在のものとし続ける。 ただしそれらは彼自身の外側に見られ、そこでは、彼がそれらを裏切った場合にはそれらが彼に反抗することもできる。 彼は自分の想念から逃げ出すためには玩具が必要だと考える。 なぜなら、彼はそれらの想念が実在すると考えているからである。 したがって、彼は、自分の世界を自分の外側にとどまらせ、自分がその一部にすぎないという遊びをするために、あらゆるものを玩具と化すのである。

 

奇跡講座テキスト  第29章  九 赦しの夢  5.