偶像からなるこの世界そのものが、キリストの顔にかかったベールである。 なぜなら、その目的は兄弟をあなた自身から分離することにあるからである。 暗く恐ろしい目的ではあるが、それは、一枚の葉を生命あるものから死のしるしに変える力さえもたない一つの想念である。 その形態はどこにも存在しない。 なぜなら、その源が、あなたの心の中で神が住まうことのない所にあるからである。 あらゆるところに遍在するものが除外され、遠ざけられているこの場所は、いったいどこにあるのだろう。 どんな手を上げれば神の道を遮ることができるというのだろうか。 いったい誰の声が、神に対し入ってこないようにと要求できるというのだろう。 「一切なるもの以上のもの」とは、あなたを怖がらせ、震え上がらせるようなものではない。 キリストの敵はどこにも存在しない。 彼は、実在となり得るいかなる形もとることはできない。
奇跡講座テキスト 第29章 八 反キリスト 4.