聖霊の記憶の使い方は、時間とはまったく無縁のものである。 聖霊は過去を持ち続けるための手段としてではなく、過去を手放すための手段として、記憶を使おうとする。 記憶は自らが受け取るメッセージを保持し、為すべく与えられたことを実行する。 自分でメッセージを書くことはせず、それが何のためのものなのかを決めることもしない。 肉体と同じように、記憶はそれ自体には目的がない。 そして、もし記憶が、往古の憎しみを大切に抱き続けるのに役立つように見え、あなたが保持してきた不正義や危害についての絵図をあなたに見せるとしたら、そうしたものがそのメッセージとなることをあなた自身が求めたということであり、それゆえに、それがそのメッセージとなっている。 肉体の過去の歴史のすべてが、記憶の保管所に収納され、そこに隠されている。 過去を生かし現在を死なせておくための奇妙な連想のすべてがその中に保管され、あなたから呼び出されて、再び生きよと命じられるのを待っている。 そのようにして、そうした連想の結果は時間によって増加するように見え、このことが、それらの原因を取り去ったのである。
奇跡講座テキスト 第28章 一 現在の記憶 5.