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虚無もうつろな空間も、妨げとはなり得ない。 (だが、)実相についての自覚を妨げ得るのは、何かがそこにあるという(あなたの勝手な)信念である

 あなたは、兄弟が「憎悪に満ちた愛」や「弱められた力」や、とりわけ「生ける死」といったものの象徴であると決め込んだ。 それゆえに、彼はあなたにとって何の意味ももたない。 彼は無意味なものを表しているからである。 彼は二重になった想念を表象しており、そこでは、半分が残りの半分によって相殺される。 しかし、残りの半分もそれが相殺した半分によってただちに否定され、そうしてどちらも消えてなくなる。 そして、今や彼は何も表していない。 あり得ない概念を表象する象徴は、虚ろな空間と虚無を表す以外にない。 だが、虚無もうつろな空間も、妨げとはなり得ない。 実相についての自覚を妨げ得るのは、何かがそこにあるという信念である。

 

奇跡講座テキスト  第27章  三 すべての象徴を超えて  2.