力は、対立するということができない。 なぜなら、対立は力を弱めることになり、弱められた力というものは、概念上の矛盾だからである。 弱い強さなどというものは無意味であり、弱めるために使われる力は、制限することに用いられる。 したがって、その力は制限された弱いものにならざるを得ない。 それがその目的だからである。 力が力であるためには、対立なきものでなければならない。 弱さが力の中に侵入すれば、力を力でないものに変えずにはいない。 弱めるとは制限することであり、自らが攻撃している概念に対し、それとは矛盾した正反対のものを押しつけることである。 こうすることにより、その概念にそれとは異なる何かをつけ加え、それを意味不明なものにする。 「弱められた力」や「憎悪に満ちた愛」などという二重概念を、誰が理解できるだろう。
奇跡講座テキスト 第27章 三 すべての象徴を超えて 1.