赦しは時間からの大いなる解放である。 それは、過去が終わっていることを学ぶための鍵である。 もはや狂気が語ることはない。 他の教師も他の道も存在していない。 取り消されたものは、もはや存在していないからである。 いったい誰が、遠き岸に立ち、自分が海の向こうのすでに消え去ってから久しい場所や時間に居ると夢見ることなどできるだろう。 この夢が、彼が実際に居る場所に対し、どれほど実在性のある妨げになり得るだろう。 彼がそこに居ることは事実であり、彼がどんな夢を見ていようとも変わらない。 それでも彼は相変わらず、自分がどこか別の場所と時間の中にいると想像することはできる。 極端な場合には、彼はこれが真実であるという妄想を自らに抱かせ、単なる想像から信念へ、そして信念から狂気へと突き進み、自分が居たいと思うところに確かに自分が存在していると確信することも可能である。
奇跡講座テキスト 第26章 五 小さな妨げ 6.