休戦を平和と取り違えてはならない。 また、妥協を葛藤からの脱出だと誤解してはならない。 葛藤から解放されるということは、葛藤が終わったという意味である

 休戦を平和と取り違えてはならない。 また、妥協を葛藤からの脱出だと誤解してはならない。 葛藤から解放されるということは、葛藤が終わったという意味である。 扉は開かれており、あなたは戦場を後にした。 銃声がしばし静まり、死の場所に漂う恐れの気配がなくなったからといって、あなたは葛藤が戻ってはこないだろうという弱々しい希望を抱いて、そこに長居をすることはしなたった。 戦場に安全はない。 上空からであれば安全にそこを見下ろし、その影響を受けずにいられる。 しかし、その直中ただなかにあっては、安全は見つからない。 倒れずに残った立木の一本も、あなたをかくまってはくれないだろう。 保護してくれるかに見える幻想のどれ一つとして、殺害に対する信に対抗できるものはない。 親交コミュニケーションを望むという自然な欲求と、他人を殺して自分も死ぬという不自然な意図との間で板挟みになった肉体が、ここにある。 殺害がまとっているその形が、安全を提供してくれると、あなたは思うのだろうか。 罪悪が戦場に不在だということがあり得るだろうか。

 

奇跡講座テキスト  第23章  三 妥協のない救済  6.