無力な者たちの軍隊はまことに弱きものである。 武器もなければ敵も居ない。 確かに、その軍隊は世界を荒らし回り、敵を探し求めることはできる。 しかし、そこに存在しないものを見つけることは決してできない。 もちろん、敵を見つけたという夢を見ることはできる。 しかし、攻撃している最中にもこの敵は変化するので、その軍隊はただちに別の敵を見つけるために奔走することになり、決して勝利に安らぐことはない。 そうして走り回るうちに、自分の必殺の攻撃を姿を変えてかわし続ける大敵を見かけたと思い、自分自身に襲いかかる。 同じ敵と認識できないほどに変わり続けるこの敵は、何と油断のならないものに映ることだろう。
奇跡講座テキスト 第21章 七 未回答の最後の質問 4.