(非神聖から聖性への)目的の急激な転換によってのみ、心の完全な変化を引き起こすことが可能となる。 しかし、初めのうちは、状況はきわめて不安定なものとして経験される。 二人の個人がそれぞれの非神聖な目的のために築き始めた関係を、この(聖性という)新しい目的の観点から熟思するとき、彼らはぞっとせずにはいられない

 ゴールをもっとゆっくり変化させるほうが親切だというわけではない。 なぜなら、そうするなら対照性が曖昧にされ、自我には、緩慢な歩みの一歩一歩を好きなように解釈し直す時間が与えられることになるからである。 目的の急激な転換によってのみ、その関係全体が何のためのものかについて、心の完全な変化を引き起こすことが可能となる。 この変化が進展し、ついに達成されるまでの間に、その関係は次第に温和で喜ばしいものとなっていく。 しかし初めのうちは、状況はきわめて不安定なものとして経験される。 二人の個人がそれぞれの非神聖な目的のために築き始めた関係が、突如として、聖性をその目的として掲げているのである。 この二人が互いとの関係をこの新しい目的の観点から熟思するとき、彼らはぞっとせずにはいられない。 その関係についての彼らの知覚がかなり秩序を欠いたものとなることさえあるかもしれない。 それでも、彼らの知覚がそれまで保ってきた秩序は、もはや彼らが共に果たそうと合意した新しい目的には役立たない。

 

奇跡講座テキスト 第17章  五 癒された関係  5.