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特別な関係は、過去の苦しみを取り除くことを求めるあまり過去に没頭し、全面的に過去に傾倒することにより現在を見落としてしまう。 過去は無である。 剥奪感のゆえに過去を咎めようとしてはならない。 あなたは、自分が成就させたい何らかの目的に役立つと思うからこそ、過去は過ぎ去っていないという幻想を維持しているに違いない

 特別な関係は過去に対して復讐しようとする。 それは、過去の苦しみを取り除くことを求めるあまり過去に没頭し、全面的に過去に傾倒することにより現在を見落としてしまう。 特別な関係が現在の中で経験されることはない。 過去からの影がその関係をすっぽり包み込み、それをそのようなものにしている。 それは現在においては何も意味していない。 そして今、何の意味もないのであれば、それにはまったく何の意味もあり得ない。 空想の中でしか、過去は変えようがない。 そしてあなたが過去が自分から奪ったと考えているものを、誰があなたに与えることができるだろうか。 過去は無である。 剥奪感のゆえに過去を咎めようとしてはならない。 過去は過ぎ去っているからである。 すでに過ぎ去っているものを去らせずにおくということは、実際にはできない。 ということは、あなたは自分が成就させたい何らかの目的に役立つと思うからこそ、過去は過ぎ去っていないという幻想を維持しているに違いない。 そしてまた、この目的は現在においては成就不可能で、過去においてのみ成就可能なものということにもなる。

 

奇跡講座テキスト 第16章  七 幻想の終わり  2.