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最も奇妙なものは、自我が特別な関係の中で育てる自己概念である。 この(特別な/理想の)「自己」は、自らを完成させるために、この特別な関係を求める。 だが、これを達成できると思えるような特別な関係を見つけたときには、この自己は自分自身を譲り渡し、自分を他者の自己と「交換」しようとする(自己犠牲による商取引)

 最も奇妙なものは、自我が特別な関係の中で育てる自己概念である。 この「自己」は自らを完成させるために、この特別な関係を求める。 だが、これを達成できると思えるような特別な関係を見つけたときには、この自己は自分自身を譲り渡し、自分を他者の自己と「交換」しようとする。 ここには増大も延長もないので、これは融合ではない。 双方が自分では望まない自己を犠牲にして、それよりも好ましいと思われる自己を得ようとする。 そして彼は、相手から取り上げておきながら代わりに何も価値あるものを与えないことの「罪」ゆえに、罪悪感を抱く。 「より良い」自己を得るために与えてしまってもいいような自己というものに、彼がどれほどの価値を置くことができるだろう。

 

奇跡講座テキスト 第16章  五 完成のための選択  7.