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憎悪という幻想が続いている間は、愛もあなたにとって幻想であり続ける。 そうなると、残された唯一可能な選択は、どちらの幻想を好むかということだけである。 それは、絶望を選ぶ決断とならざるを得ない

 愛の勝利というものはない。 憎悪だけが、「愛の勝利」などというものを気にかける。 愛の幻想が憎悪の幻想に対して勝利をおさめることはできるが、それは常にその両方を幻想とするという代価を払ってのことである。 憎悪という幻想が続いている間は、愛もあなたにとって幻想であり続ける。 そうなると、残された唯一可能な選択は、どちらの幻想を好むかということだけである。 真理か幻想かという選択ならば、葛藤はあり得ない。 このように考えるなら、誰も躊躇しないだろう。 しかし選択が二つの幻想の間で為されるように見えたとたん、葛藤が入り込む。 だが、これはどうでもよい選択である。 一つの選択肢がもう一つの選択肢と同じくらい危険である場合、どちらを選んだところで、それは絶望を選ぶ決断とならざるを得ない。

 

奇跡講座テキスト 第16章  四 愛の幻想と愛の実相  5.