自我と同一化している者は誰でも、自分から何かが奪われている(欠けたところがある/充分でない)と感じている。自分の外の世界はないのだから、自分がこの世界を作り出しているということに、彼は気づいていない

 自我と同一化することは、自分自身を攻撃して貧しくすることである。 だからこそ、自我と同一化している者は誰でも、自分から何かが奪われていると感じているのである。 そうなると彼が経験するのは、憂うつか怒りのいずれかとなる。 なぜなら、彼のしたことは、自己愛を自己嫌悪へと取り換え、自らを恐れる者になるということだったからである。 彼はこのことに気づいていない。 たとえ不安感については充分に自覚していても、彼は、自分が自我と同一化していることがその源だとは知覚せず、常に、世界との間に何らかの狂った「取り決め」をすることで、その不安感に対処しようとする。 彼は常に世界を自分の外にあるものと知覚している。 そうすることが、彼の行う調整にとって決定的に重要だからである。 自分の外の世界はないのだから、自分がこの世界を作り出しているということに、彼は気づいていない。

 

奇跡講座テキスト 第12章  三 実相に思いを投入する  6.