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恐れを消し去ることはせずに、最小限にとどめるというのが、自我が絶えず努力していることであり、この点において自我の技は、きわめて巧妙である

 自我は、あなたが自分自身を横柄と見なそうと、懐疑的に見なそうと気にかけず、また、「陽気」だとか、よそよそしいとか、感情的に浅薄だとか、冷淡だとか、無関心だとか、さらには、絶望的になっているとさえ見なしてもかまわないと思っている。 そして自我は、そのような見方を容認するのだが、本当に恐れていると見なすことだけは容認しない。 恐れを消し去ることはせずに最小限にとどめるというのが、自我が絶えず努力していることであり、この点において自我のわざはきわめて巧妙である。 恐れにより分離を支えなければ、いかにして自我が分離の教えを説くことができるだろう。 そして、これが自我のしていることだと認識したなら、あなたはそれに耳を傾けたいと思うだろうか。

 

奇跡講座テキスト 第11章  五 自我の「力動論」  9.