それならば、自我を見ているとき、私たちが考察しているのは、力動ではなく妄想だということになる。 妄想的体系ならば、もちろんあなたも恐れずに見ることができるはずである。 その源が実在しないのであれば、それは結果をもたらし得ないからである。 あなたが自我のゴールを認識するなら、それを恐れることが筋違いであることがさらに明瞭になる。 それはあまりにも明らかに無意味なので、その達成のための努力はどれも、虚無に費やされるだけである。 自我のゴールとは、はっきり言うなら、自我の自立である。 つまり、自我の目的は最初から、分離して自足的となり、自分のものでないどんな力からも独立したものとなることである。 自我は分離の象徴なのである。
奇跡講座テキスト 第11章 五 自我の「力動論」 4.