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自我とは、心が抱く「自分は完全に(神から)自立している」という信念である

 自我は自らが完全に自立していると信じているが、このことは単に、自我が自分の起源をどのようなものと考えているのかを、別な形で描写しているにすぎない。 これは実に恐ろしい状態なので、自我は他の自我たちに頼る他なく、帰属感を得るための弱々しい試みとして彼らを攻撃したりする。 しかし、自我はこの前提を疑問にさらすわけにはいかない。 なぜなら、この前提こそが自我の土台だからである。 自我とは、心が抱く「自分は完全に自立している」という信念である。 自我は絶えず霊からの承認を得ようとし、それによって自らの存在を確立しようとしているが、そうした試みは徒労である。 智識の中に居る霊は、自我に気づいていない。 霊は自我を攻撃しない。 ただそのようなものをまったく思い描けないだけである。 自我も同様に霊に気づいてはいないが、何か自分よりも偉大なものに自分が拒絶されていると知覚してはいる。 それゆえに、自我の言う「自尊心」は妄想的なものとならざるを得ない。

 

奇跡講座テキスト 第4章  二 自我と偽りの自律  8. /1