誰もが、自我、すなわち自分自身のための自己というものを作り出すが、それは不安定なものであるため、ありとあらゆる形に変貌し得る。 人はまた、自分が知覚する誰についても自我を作り出すが、そうした自我も同様に可変である。 そのような自我同士の関わり合いは、両者を変化させるプロセスである。 それらは不変なる存在によって作り出されたわけでも、不変なる存在と共に作られたわけでもないからである。 ここでよく理解しておくべきことは、その関わり合いが心の中で起こるときでも、物理的に近接して起こるときでも、同様に容易にこの変化が生じ得るし、実際に生じているという点である。 他者の自我について考えることは、生身の人物と関わり合う場合と同じく、相対的な知覚を変化させることができる。 自我というものが単なる想念であって事実ではないことを示すのに、これ以上の良い例はない。
奇跡講座テキスト 第4章 二 自我と偽りの自律 2.