いったい心はどのようにして自我というものを作り出せたのか、と尋ねるのはもっともなことである。 実際、それはあなたが尋ね得る最良の問いである。 しかし、過去の観点からその問いに答えることには意味がない。 なぜなら、過去は問題にならず、もし同じ誤りが現在に繰り返されているのでなかったなら、歴史は存在していないはずだからである。 智識は完全に非個人的なものであるから、抽象的な想念が智識にはふさわしい。 具体例は智識を理解することに無関係である。 一方、知覚は常に特定のものに関わるため、きわめて具体的である。
奇跡講座テキスト 第4章 二 自我と偽りの自律 1.