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奇跡は、時間の必要性を最小限にする。 奇跡は、何千年もかかったかもしれない学びに代わるものとなる。 (赦しにより神の平安を)与える者(つまりあなた)と(その平安を)受ける者(兄弟)の完全な対等性という、奇跡の根底を成す認識によって、それが為される

 奇跡は時間の必要性を最小限にする。 経時的すなわち水平的な存在領域においては、一なる子に属する者たちの対等性の認識には、ほとんど果てしない時間がかかるように見える。 けれども、奇跡には水平の知覚から垂直の知覚への突然の移行が伴う。 これが一つの時間枠を挿入し、与える者も受ける者もこの枠から出るときには、それなしではそこまでは進めなかったほど先の時間にまで進むことになる。 それゆえに奇跡は、それが及ぶ範囲の時間枠を不要にし、それに相応する長さの時間を廃するという独特な性質をもつ。 一つの奇跡が起こるのにかかる時間と、奇跡が影響をおよぼす時間との間には、何の相関関係もない。 奇跡は何千年もかかったかもしれない学びに代わるものとなる。 与える者と受ける者の完全な対等性という、奇跡の根底を成す認識によって、それが為される。 奇跡は時間を崩壊させ、その中の特定の時間枠を取り除くことによって時間を短縮する。 ただし、より大きな時間の流れの中でそれを行うのである。

 

奇跡講座テキスト 第1章  二 啓示、時間、奇跡  6.