「われに由らでは誰にても父のみもとにいたる者なし」とは、私が何らかの形であなたから分離する、もしくは異なる、という意味ではない。 時間の中ではそういう意味になるが、時間は実際には存在しない。 この言葉は横軸よりも縦軸の観点で捉えたほうが意味がある。 あなたは私の下に立ち、私は神の下に立つ。 「上昇する」過程において、私はあなたより高い位置に居るが、その理由は、私が居なければ神と人との距離はあまりにも大きすぎて、あなただけでは超えていけないからである。 私は一方ではあなたの兄として、もう一方では神の子として、その距離を埋める。 兄弟たちへの私の献身が、一なる子を任される立場に私を置いた。 そして私はそれを共有しているので、私がそれを完成させる。 これは、「われと父とはひとつなり」という言葉と矛盾するように見えるかもしれないが、父のほうが大いなる存在であることを認めて、この言葉には「われ」と「父」という二つの部分が含まれている。
奇跡講座テキスト 第1章 二 啓示、時間、奇跡 4.