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私たちはあまりにも自我を信奉しきっています。 すでに自我から生きていることにほとんど気づいていません。 完全に自我に無頓着になってしまっています。 まずこのことに気づくことから始めます。
今自分がやっていることは自我からなのか、真の本質からなのか。 偽りの自己からなのか、真の自己からなのか。 真と偽を見分ける、創造されたものと作り出されたものを区別する必要があります。
赦しは自我、すなわち幻想に気づいて直視し解体する行為です。 そのためにもまず自我かそうでないかを選別する能力を活性化させる必要があります。
これは赦しに必要なトレーニングです。必須です。 自我を選別し、聖霊と源を共する自分の心の声を聞く練習です。 赦しの実践者は例外なくこのトレーニングをしています。
創造されたものと作り出されたものとの間の明確な区別が不可欠である。 あらゆる形の癒しは、レベルの知覚におけるこの根本的な訂正に依拠している。
奇跡講座テキスト 第2章 五 奇跡を行う者の機能 A 奇跡を行う者たちの特別の原則 12. (2) より
まず最初に、あなたは自分が選んだ家の中の祭壇に目を向け、あなたが私に差し出そうとして、そこに何を置いているかを見なさい。 もしそれが、棘が赤い血の色で鋭く光っている茨であれば、あなたが選んだ家は肉体であり、あなたが私に差し出しているのは分離である。
奇跡講座テキスト 第20章 二 百合の花の贈り物 4. より
<Point>
1. 『源』の確認をする
2. 『本心』の確認
3. 正しい源からのものか確認する
・ 真の自分の声こそが聖霊の声
・ トレーニングを習慣化する
・ 人生が好転する
1. 『源』の確認をする
まずは関連する引用部分を書き出します。
想念がもたらす結果は、決してその源から分離していない。
奇跡講座テキスト 第19章 一 癒しと信 7. より
外に投影されて、心の外にあるように見えるものは、決して外側にあるのではなく、内側にあるものの結果であり、その源を離れてはいない。
奇跡講座テキスト 第26章 七 赦しの法則 4. より
無為な想念というものはない。 すべての思考は何らかのレベルで形を生み出す。
奇跡講座テキスト 第2章 六 恐れと葛藤 9. より
その結果を取り消す方法は、単に、その源があなたの真の本質にそぐわない不自然なものだと認識することである。
奇跡講座テキスト 第11章 五 自我の「力動論」 5. より
ここでは次のようなことが書かれています。
外に見える結果はすべて、私たちの想念の結果であり、その想念はどの『源』から生起しているかで決まる。 その源は恐れを土台にした自我からのものであるか、愛を土台にした真の本質からのものであるかである。
ここから導き出されるのは、選択された源によって結果がどうなるかがわかる、ということです。
自我、すなわち恐れからは、誤りしか生起せず、存在していない状態、ありえない状態が作り出されます。
そもそも自我、恐れは幻想です。 実在しません。
その実在しない自我を土台にしたものは何事もうまくいきません。
今していること、しようとしていることは、自我からなのか、そうでないのか。
どちらの『源』から来ているのかを確認する必要があります。
恐れをベースにしているのか、そうでないのか。
例えば、今から何かを食べようとしているなら、それを。
どこかへ行こうとしているなら、それを。
今まさにサイトを見ているこの行為は、恐れからかそうでないのか。
どの源からその行為は生まれているのか、その思考、想念はどちらが源なのかを、ことあるごとに意識的に源を確認します。
2. 『本心』の確認
私たちはこの源によって、真の自分から何かをすることもできるし、自我から何かをすることもできる存在です。
あなたは自分の選択するままに、霊からでも自我からでも語ることができる。
奇跡講座テキスト 第4章 序 2. より
正しい源からのものであれば、つまり真の自分からのものであれば、問題は生じません。
一方、自我からのもの、偽りの自分からのものであるなら、選び直す必要があります。
本心を確認します。 自分に正直になって自分の本心がどうなっているのかを確かめてください。
方法は、自分自身に「本当はどうしたいのか」を聞くことです。
最初のうちは、自我が邪魔をしてなかなか本心がつかめないかもしれません。 自我は、奇跡衝動(実相からの思い、本心)に分厚い覆いをかけていて、私たちに真の心の声を自覚しにくくしています。 またそれは、自我由来の衝動(自我の声)と見分けがつかなくなる要因にもなっています。
あなたの歪んだ知覚が奇跡衝動に分厚い覆いをかけており、それにより、その衝動があなた自身に自覚されにくくなっている。 奇跡衝動を肉体レベルの衝動と混同することは、知覚の歪曲の主要なものである。 肉体レベルの衝動は、間違った方向に向けられた奇跡衝動である。
奇跡講座テキスト 第1章 七 奇跡衝動への歪曲 1. より
真の心の声を聞くためには自我の警戒が弱まっている隙を突くことです。 ポイントはリラックスです。 緊張がほぐれた瞬間、トイレやお風呂、寝る前や後、公園でのくつろぎや散歩などまったく違うことをやっている瞬間に降りてくる場合があります。
真の心の声を受け取れるまで、何度も意識して確認しましょう。 そしてあきらめずにトライし続けましょう。 時間はかかるかもしれませんが、いずれ声が聞き取れる瞬間が来ます。
受け取った瞬間ピンとくる、ハッとする。 静かな納得感も伴います。 これはいつも耳にしている偽りの声とは明らかに違うので、はっきりと見分けがつきます。 見分けがつかなければ、まだ偽りの声、自我の声です。 真の声を受け取ったときには少なからず癒しが訪れることも多いです。
3. 正しい源からのものか確認する
本心の確認と同じことですが、何か行う際は、その選択がキリストの選択と調和する、つまり正しい源から選択されたものかどうかを確認する必要があります。
何かをすることを選ぶ前に、あなたの選択が私の選択と調和するものかどうかを私に尋ねなさい。
奇跡講座テキスト 第2章 六 恐れと葛藤 4. より
これは、正しい源から選択されたものかどうかを見分ける必要があるということです。
見分け方はこうです。
自我由来、つまり肉体レベルの衝動は恐れがベースにありますから、次のように問いかけます。
「もし恐れがなかったら、ほんとうは自分はどうしたいの?」
恐れがない場合を想定することでしたいことが変化するのなら、その声は恐れから、すなわち自我からのものだということになります。
これは、本心からのものは恐れが存在しないことを利用しています。
真の自分の声こそが聖霊の声
真の自分は霊であり聖霊です。 本心、すなわち真の自分の声は聖霊の答えです。 同じ源であり真の本質です。
聖霊とはあなたにとっての実相に他ならない。
奇跡講座テキスト 第9章 一 実相の受容 4. より
聖霊の声は神を代弁する声であり、あなたの声でもある。
奇跡講座ワークブック 「エピローグ」 2. より
関連記事:【第10回】『聖霊』に聞くとは
静かになって、自分の心の声に耳を傾けましょう。 本心を聞き取りましょう。 これが聖霊に尋ねて答えを待つということです。
常に意識的に訓練する必要があります。 自分の考え、想念に気づく必要があります。
赦しの実践で必要とされる聖霊に耳を傾ける、まさにその練習です。
「もし恐れがなかったら、ほんとうは自分はどうしたいの?」
誰でも利用できる問いかけとして、最も効果的な方法と言えると思います。 もちろん実際には、これ以上の方法を当方のセッションでは採用していますが、トレーニングの入り口としては充分だと思います。
トレーニングを習慣化する
『本心』確認は、今ある恐れをそのままにして、恐れのない真の自分にアクセスを試みる方法です。 尋ね、答えを待つ。 静かに傾聴する。 「ワークブック編」でも頻繁に登場するレッスンです。
一方赦しの実践では、さらに自我を取り消す作業が加わります。
これは恐れをよく見て直視することが求められます。
赦しのトレーニングを積まないことには、恐れを作り出している誤った信念を解除していく赦しの実践に耐えることができません。
このトレーニングは、心の内側を見る、思考を観察し内省すること、真の自分の声を聞く、聖霊の声を聞くことです。
実際は、「ワークブック編」がこの部分を担っているのですが、「ワークブック編」を終えた学習者でもこのトレーニングが充分に出来ていない人は多いと思います。
トレーニングを通して心の内側を見ることを習慣化して欲しい。
最初は自我が邪魔をしてなかなか本心にアクセスできないかもしれません。
赦しに取り組むことを選択し赦しが進んでいけば、自我が取り消されていくことで自我の覆いが減少します。 そうすることでより明晰に区別できるようになっていきます。 赦しが進めば進むほど本心にアクセスしやすくなっていきます。聖霊の声がより聞き取れるようになる、ということです。
この赦しは本心からの選択によって取り組む必要があります。
自我からではうまく機能しません。
とにかく、このトレーニングを習慣化させましょう。
(もちろんトレーニング自体も本心からやりたいのか確認しましょう。)
内面に向かってください。 内省してください。 自己対話してください。
『奇跡講座』は全面的に内面の話です。 心の話です。
内面に向かう習慣なくして、赦しは不可能です。
あなたは奇跡志向の考えに慣れていない。 しかし、訓練することでそのように考えられるようになる。 奇跡を行う者たちはみな、その種の訓練を必要とする。
奇跡講座テキスト 第2章 七 原因と結果 1. より
これは心を訓練するコースである。
奇跡講座テキスト 第1章 七 奇跡衝動への歪曲 4. より
人生が好転する
これは人生あらゆる場面で有効です。 恐怖ではなく、自我ではなく、本心からの動機を大事にすることで、すべてが機能し始めます。
これが源から生きる、真の自分を生きる、創造的に生きる、ということです。
一方、自我から生きている限り、問題を抱えたまま先延ばしにしているだけです。
人や出来事を変えて同じことを繰り返すことになります。
そしてそれは自我の深刻度、重要度、緊急度合いに応じて、より強烈に強化されてやってくることになります。
一つの問題は多くの形で現れることが可能である。 そして、存続している間は、問題は多くの形をとるものである。 それを何らかの特別な形で解決しようと試みることは、何の目的にも役立たない。 それは何度でも再発し、繰り返されるが、永遠にきっぱりと答えられたなら、いかなる形においても二度と再び生じなくなる。
奇跡講座テキスト 第26章 二 多くの形態、一つの訂正 1. より
自我からの動機では、誤創造が生まれます。
それを本来の源に戻すだけでどれほど結果が変わるか想像できるでしょう。
このトレーニングに取り組むだけで、人生は好転していきます。
正しい源、すなわち真の本質から生きることで結果を確認してください。
もし結果が思わしくなければ、それは偽りの源から来ている可能性が大です。
目に見えないものを見ることはできない。 だが、それがもたらした結果を見れば、それがそこにあるはずだということがわかる。
奇跡講座テキスト 第12章 七 内側を見る 2. より