カテゴリ:カテゴリ)T30Ⅲ



 あなたが居る場所以外のどこに、神があなたについて抱いている想念が存在できるだろう。 あなたの実相は、あなたから離れているようなものだろうか。 そして、それはそれ自体が何も知らない世界の中に存在するようなものだろうか。 あなたの外側には、永遠の天穹はなく、不変なる星も、実相も存在しない。 天の子の心は天国の中に存在する。...
 すべての偶像を超えたところに、神があなたについて抱いている想念がある。 それは、世界の混迷と恐怖や、世界で夢見られる生と死の夢や、無数の形をとって表れる恐れといったものを前にしても、完全に超然としている。 みじんの動揺もなく、神があなたについて抱いている想念は、これまでも常にそうであったままにあり続ける。...
 父を知る者はこの光を知る。 なぜなら、父こそが、その光を安全に保ちつつ、永久(とわ)にその高みにしっかりと抱き続ける天穹だからである。 その完璧な清らかさは、それが地上から見られようと見られまいと変わることはない。 天穹はそれを抱擁し、完璧にそれにふさわしい場所にやさしくそれを保っている。...
 神の想念はあらゆる変化をはるかに超越しており、永遠に輝いている。 それらは誕生を待っているのではない。 歓迎され、思い出されるのを待っている。 神があなたについて抱いている想念は、永遠の天穹(てんきゅう)に、変わることなく輝く星のようである。...
 想念は訪れては去っていくように見える。 だが、このことが意味しているのは、あなたがそれらを時によって、意識したりしなかったりするというだけのことである。 思い出されなかった想念は、それがあなたの自覚に戻ってくれば、あなたにとって再び生まれることになる。 しかしそれは、あなたが忘れたときに、死にはしなかった。...
 神が知らないものは何も存在しない。 そして、神が知っているものは永遠に変わることなく存在する。 なぜなら、想念はそれを思考した心が存在する限りあり続けるからである。 そして神の心の中には、終わりというものはなく、神の想念が不在であったり、変化を被ることができるような時間というものもない。...
 完成こそが神の子の機能(・・傍点)である。 彼がそれを探し求める必要はまったくない。 すべての偶像を超えたところに、自分の本性のままにあろうとする彼の神性な意志がある。 なぜなら、全一以上のものであることは無意味だからである。...
 あなたが望んでいるものは偶像などではない。 しかし、偶像が与えてくれるとあなたが思っているものは、まさしくあなたが望んでいるものであり、あなたにはそれを求める権利がある。 また、それが拒否されることもあり得ない。 完全であろうとするあなたの意志は神の意志に他ならず、それは神の意志であることによって、あなたに与えられている。...
 あらゆる偶像の探求の背後には、完成への憧憬が潜んでいる。 全一性は無限であるから形態をもたない。 自分自身を完成させようとして、自分につけ加えるための特別な人や物を追求するということは、あなたが自分は何らかの形態が欠けていると信じていることを意味しているだけである。...
 あなたが追求しているのは形態ではない。 どんな形態が、父なる神の愛の代替となり得るだろう。 どんな形態が、子なる神の神性の中にあるすべての愛の座を奪えるだろう。 どんな偶像が、一なるものを二つにすることができるというのだろう。 無限なるものを限定できるだろうか。 あなたは偶像を望んではいない。 それをもつことはあなたの意志ではない。...

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