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赦しに取り組む上での大前提となる心の姿勢の確認はできたでしょうか。
それでは、いよいよ赦すべきテーマに取り組みたいと思います。
赦すべきテーマの決定
赦すべきテーマとは、こうです。
テーマとは、実際に今感じている、あるいは思い出すと感じる嫌な出来事、その中で赦しに取り組みたいもののことです。 それを一つ決めます。
心の準備を再確認
テーマが決まったら、もう一度動機の確認をします。
「あなたは、その相手を赦したいですか?」
ここはとても重要です。
決して無理はしません。 無理をして赦す必要はありません。 ここはあなた自身の同意が必要です。 赦さなければならないものは何もありません。 赦すことがいいことでもありませんし、赦さないことが悪いことでもありません。 あなたが赦したいかどうかです。
大事なのは、「もうこれは赦そう、赦すしかない」というあなたの思いです。
(この先、赦しを選択する日が来るかもしれない、だけど今は、)「まだ赦さないままでいる」という選択でもなんら問題はありません。
自分の気持ちが最優先です。 自分に正直になってください。 ここは自己尊重が最も必要な部分です。
この動機を自分自身に確認せず、ただ赦すことがいいことだ、赦さなければならない、赦さないと幸せにならない、ということで赦そうとする人がいます。
それでは赦しが機能しません。
もちろん、この嫌な状況を早くなんとかしたいから、問題を解決したいから、この苦しみを消し去りたいからといった理由での取り組みも機能しません。 それは前回言いました。 恐れからの解放を望んでの赦しの取り組みは自我からの取り組みです。 自我からでは機能しません。
ここはとても大事なので、必ず確認してください。
あなたにはどれくらい兄弟を赦したいという気持ちがあるだろうか。 際限のない闘争と惨めさと苦痛の代わりに、どれほど平安を欲しているだろうか。 これらの質問は、形は違うがどちらも同じ質問である。
奇跡講座テキスト 第29章 六 赦しと、時間の終焉 1. より
あなたは自分が兄弟を罪なきものと見たいと望んでいるかどうかについては、考える必要があり、しかも、よく考えてみなければならない。
奇跡講座テキスト 第24章 四 特別性と無罪性 4. より
否認がないかの最終テスト
赦しのための心の姿勢、赦すための心の準備がとにかく大事なので、念のため次のテストを行います。
あなたは今、相手にこう言えるでしょうか。
「ごめんなさい。 この私を許して欲しい。」
「許し」という文字を使いました。 奇跡講座で言うところの「赦し」とは意味は違いますが、少なくとも赦しに入るためには、この「許し」を請う姿勢がまずは必要です。 (相手に直接伝えずとも、自分の心の中でそう言えるかで大丈夫です。)
その意味は、すくなくとも相手に問題があると思っていない、相手を非難していない、そして、この問題は自分のほうに問題があると思えている、を指しています。
この言葉が素直に言えないようでしたら、あなたにはまだ準備ができていません。
素直に言えない理由は、今取り組もうとしているテーマについて、完全に自分の責任であると思えていないところにあります。 まだ自分の中のどこかで相手の非を見て責めている、「そうは言ってもこの件に関しては相手にも悪いところがあるでしょう?」、つまりまだ心のどこかで相手を攻撃している、否認しているということです。 どこかで相手のほうを変えたい、直した方がいいと思っている、奇跡講座で言えば相手に死を望んでいる、ということです。
ましてや「どうしてこの私があの人のためにわざわざ頑張って赦さないといけないの?」などと思っていいるとしたら赦しには入れません。
注意して欲しいのですが、否認することがいけないわけではありません。 否認して構いませんし、恥ずべきことでもありません。 今は自分は否認を選択している、これに気づいている、認識していることが大事です。 気づいていない、無自覚な選択のほうが問題です。
ここを無理矢理に突破することはできません。 自分に嘘はつけません。 充分に時間をかける必要があります。 時間をかけていいんです。 より深く奇跡講座を理解してください。 そしていつの日か理解が満ち、「もう赦そう。 これは自分の中の問題だ。 どうか許して欲しい」と心から言える日を待ちましょう。 そうすれば次のステップへ進めます。
自分の心の中にこそ問題がある
ですので、ここでもう一度、自分に問題があることを認めます。
「このイヤな感情は、相手に問題があるのではない。 たしかに相手に問題があるのかもしれないが、少なくともこの自分には問題がある。 とにかくこの自分の問題に向き合いたい」と。
自分が間違っていたと認めようとする意欲があるなら、訂正を受け入れることもできるということを、あなたは知覚しなければならない。
奇跡講座テキスト 第21章 二 視覚に対する責任 4. より
ここまで来れたなら、次はこうです。