あなたが見ている兄弟の絵は、何も意味していない。 そこには攻撃すべきものも否定すべきものもなく、愛すべきものや憎むべきものもなく、力を付与すべきものや弱さを見るべきものもない。 その絵は全面的に取り消されている。 なぜならそれは、それ自体が表象している想念を相殺した矛盾を、象徴していたからである。 それゆえに、この絵にはいかなる原因もない。 原因がなければ誰が結果を知覚できるだろう。 原因のないものが虚無でなくて何だろう。 あなたに見える兄弟の絵は、完全なもぬけの殻で、一度も存在したことのないものである。 それならば、その絵が占めるうつろな空間を何もないところとして認識し、その絵を見ることに費やされた時間を、無為に過ごした何もなかった時間として知覚しなさい。
奇跡講座テキスト 第２７章 三 すべての象徴を超えて 3.