狂気の信念体系を、その内側から評価することは不可能である。 それが占める範囲のゆえに、これが不可能となっている。 あなたにできることは、ただその狂気の思考体系を超えて、正気が存在する地点から振り返り、正気と狂気の対照性を見ることだけである。 この対照性によってしか、狂気が狂気と判断されることはあり得ない。 神の壮大さを内にもちながら、あなたは卑小であることを選び、自分の卑小さを嘆くという選択をしている。 この選択を命じた思考体系の内側では、悲嘆は避けられない。 そこではあなたの卑小さは当然のものとされ、あなたは「誰がそれを認可したのか」と問うことはない。 その質問は自我の思考体系の中にあっては無意味である。 なぜなら、それは自我の全思考体系を疑問にさらすことになるからである。
奇跡講座テキスト 第9章 七 二つの評価 6.