あなた自身の心の状態が、自我がどのように作り出されたかを示す良い例である。 智識を捨て去ったとき、あなたはまるでかつて一度も智識をもっていたことがないかのようになる。 このことは実に明白なので、今そうなっていると認識しさえすれば、そうしたことは確かに起こるものだとわかる。 これが現在において起こるのなら、過去においても起こったからといって、驚くに足らないのではないだろうか。 驚きとは、馴染みのないものに対してなら妥当な反応だが、かくも執拗に起こり続けることについては、おおよそ妥当とはいえない。 しかし、今は心が確かにそのように働いているとはいえ、必ずしもそう働かなくてもよい、ということを忘れてはならない。
奇跡講座テキスト 第４章 二 自我と偽りの自律 3.